看護師といえば、病院で働く仕事というイメージが強いかもしれません。急患を受け入れたり、採血をしたり。ですが、病院だけでなく、介護施設で働く看護師も多くいます。
介護施設で働く魅力として挙げられるのは、規則正しい生活が送れることです。急患が来たり、入居者の容体が急に悪くなるということも少ないので、ほとんど決まった時間に退勤することができます。また、介護施設では看護師の24時間常駐が義務付けられていないため、夜勤のない施設も多いです。生活リズムを崩すことなく、仕事終わりの予定も立てやすいため、結婚や出産をした女性の復職先としても人気が高いとされています。
次に、入居者と密にコミュニケーションをとれる点です。病院とは違い、介護施設は医療目的の施設でもありますが、入居者にとっては生活の場でもあります。いかに気持ちよく入居者が毎日を過ごすことができるか、楽しく生活することができるか、ということを考えながら仕事をするので、人と関ることが好きな人にとっては魅力的だと思います。
また、ひとりひとりの性格に合わせたコミュニケーションも大切です。体調の管理だけでなく、顔色や声色の調子も見て、メンタルのケアをすることも大切な仕事の一つ。「医療ケアだけをしたい！」という人には向いていないかもしれませんが、入居者から感謝されたり、信頼してもらうことは、思ったよりも大きな喜びになります。
看護師として働くことを考えたとき、介護施設で働くことも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
看護師の就職・転職先として介護施設が重要な選択肢として浮上する機会が増えてきました。介護業界の需要の増加とともに看護師の需要も高まっているのがその理由ですが、実際に転職してみると仕事内容や環境の違いなどで戸惑うことも多いようです。
看護師にとって介護施設で働く魅力としてまず挙げられるのは、「長い期間にわたって利用者と関われる」ことです。しかも深刻な病気をかかえている、または本格的な治療を必要としているといったことはなく、介護が必要な環境のために入居している人を対象に看護の仕事を行うことになります。そのため、必然的に日常生活の中で身近に接する機会が多くなるというわけです。
ターミナルケアを行っている施設では、最期のときまで入居者の日常生活と関わり続けることになります。もはや家族以上の存在になるといっても過言ではないかもしれません。
人と向き合い、関わり、そして役に立つ。これらは看護師としてもっとも基本的な役割ですが、それを十分に味わうことができる職場といえるでしょう。
本格的な治療が必要なほど健康に重要な問題を抱えている入居者はいないことから、精神的なプレッシャーが少ない点も介護施設で働く魅力・メリットといえるかもしれません。それはもちろん「仕事が楽」という意味ではなく、精神的な負担が少ない環境で自分の能力を発揮しやすいという意味での魅力です。
介護スタッフと連携しながらの日々の業務を魅力として感じている看護師も多いでしょう。こうした共同作業において達成感を味わう機会も多く、医療機関での勤務とはまた違った魅力を感じられる職場です。
介護施設と一口に言っても様々な種類があり、求められる仕事の役割も変わってきます。まず挙げられる違いは、公的施設と民間施設に別れており、要介護者向けと自立した人向けで分かれている点です。
公的施設では、介護度の高い人を多く受け入れており、入居費用も抑えられます。ですが、入居希望の人気も高いので、介護士不足の施設では数年待ちの施設も少なくありません。こういった施設では、入浴介助や排せつ介助などの介護の業務の割合も増えてくることでしょう。
民間施設では、自立した人向けのサービスが多い施設が多いです。レクリエーションやイベント活動なども多く行われ、施設によってはペットを飼えたり、サービスの種類も豊富に提供されています。設備もホテルのように綺麗だったりする施設もありますが、公的施設と比べると、やはり費用は割高になってきてしまいます。
看護師の仕事としては、もちろんどちらの施設でも入居者の体調管理は必須です。薬の服薬管理をしたり、何か医療ケアで緊急性のあることを求められたとき、まっ先に頼りにされることもあると思います。
それ以外にも、どちらにも共通していることは、病院よりも入居者とのコミュニケーションを密接にとらなければならないという点です。例えば、いつもは元気な入居者が、レクリエーションの最中に元気がなかったりすることもあるかもしれません。そんなとき、まっ先に気づいて声をかけてあげるのも、介護施設で働く看護師の大切な役割です。